三十路を過ぎてからの出会い

いったい誰が30代過ぎて、未婚、子なしの女を負け犬と決めたのだろうか。
私だって結婚したくなくて結婚してないわけじゃない。
一流大学を出て、一流商社に入ったのだから、それなりに業績を残したいと思って入社してから必死に頑張ってきた。

それに、女を捨ててるわけでもない。
毎週末にはエステにも行ってるし、毎晩肌のお手入れは欠かさない。
雑誌で最新のファッションもチェックして、いつも女らしく振舞おうと努力してるのに、周りはそんな私を「一人でも生きていけるキャリアウーマン」としか見てくれない。
それでもいつかは出会いがあると、目の前にある仕事を頑張っていればいつかチャンスが来ると思っていたけど、さすがにこの知らせはこたえた。

昨日家に帰って見た封筒には、大学の友達である貴子の名前が。
彼女もほかの商社にはいってバリバリ仕事に没頭している、数少ない結婚していないキャリアウーマン友達の一人だが、ここ最近では仕事が忙しくて顔を合わせていない。

「なんだろう」と思いながら、封を開ける。

中身は結婚式の招待状。「由美へ。
突然ですが、結婚することになりました。
仕事が一番って思っていたけど、やっぱり好きな人と一緒にいたいし、30代過ぎて仕事に没頭するのも疲れたので寿退社します。
結婚式にきてね。
由美も頑張れ」

半年前に彼女に会った時には、彼女自身仕事が楽しくて恋愛なんて興味がないし、出会いもないし、あっても仕事のみで全く結婚を考えてないって言ってたのに…